再婚カップルのための家族信託

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

突然ですが。

「再婚する人」は、
年間で何組いるか知ってますか?

 

夫婦とも、「初めて結婚」する人たちは減少傾向
平成27年では約46万組

一方

夫婦とも「再婚」又はどちらか一方が「再婚」は、
平成27年では約17万組
近年はほぼ横ばい

結婚に占める割合では、
「再婚」は、上昇傾向にあります。

【厚労省 平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況より】

 

再婚夫婦には、
老後の生活で、特有の課題があるのです。

【事例】

A子(60歳)・B男(60歳)は、再婚同士。

夫婦は、B男の自宅で生活することに。

子供たちは全員独立しています。

この再婚に、
B男の子供達は、反対していたのでした。

【家族関係】
A子(60歳)・B男(60歳)は、再婚同士。
再婚に、B男の子供達は、反対していた。

【財産】
B男 自宅
現金・預金
A子 現金・預金

【B男の希望】
自分亡き後、自宅・預金を
A子に相続させたい
(A子の生活を支えてゆくため)

ただし、A子が亡くなったら、
自分の子供たちへ相続させたい

※A子も、B男と同じ希望をもっている

【検討】

【何の備えもしない】
B男が亡くなった場合、
A子とB男の子供たち遺産分割協議をする必要があります。

子供たちは、再婚を快く思っていなかったため、
分割協議に応じてくれませんでした。

結局、
A子は、B男の子供たちの主張を受け入れ、
B男の自宅から出ていくことになりました。

 

【遺言】
B男が、「自宅はA子、預金は子供たち」
と遺言することで、手続きはスムースに

 

しかし、A子が死亡後、自宅はA子の子供たちが相続

A子の財産も同様となります。

結局
B男の自宅は、他人であるA子の子供たちのものになりました。

 

【家族信託】
B男は、子供と信託契約を締結。
B男の自宅・預金を信託。

B男死亡後、第2受益者 A子

A子死亡後、帰属権利者を、子供たちとする。

こうすることで、

B男死亡後、A子は自宅で住み続けることができ、

A子死亡後、B男の子供の元へ

財産が渡ることが可能となります。

 

【ポイント】

遺言では、資産の行き先をこのように決めることができません
これが可能なのは、家族信託だけです。

 

自分亡き後の妻(夫)の生活を支えたい。

そう考えるなら、

「子供たちが何とかしてくれるだろう」

という甘い考えは捨てて、

元気なうちに、「備え」をしておくべきなのです。

 

えんたけ行政書士事務所

行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

親の自宅の空き家対策

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

5月21日に加茂まつりがあり、
神輿を担ぎました。
商店街から街中へ。
住宅街には、空き家と思われる
古く朽ちかけた建物が、ズラリ。
その数に圧巻されました。

さて、問題ある空き家にしないためには
早めの対策が大切です。

事例をもとに、
対策方法を検討してみましょう。

 

【事例】

相談者(母83歳)
:現在一人暮らしです。自宅で暮らしているが、最近、物忘れも出てきました。
そろそろ安心できる施設へ移住を考えています。
自宅は、時々帰ったりしたいので、しばらくそのままにしておきたい。
将来必要があれば、貸しても売ってもいいと思っています。

【家族関係】
母は自宅で一人暮らし
長男は同じ市内に自宅を所有

【財産】
自宅不動産
現金・預金

【相談者の希望】
施設へ移住した後も、自宅はしばらく処分しないでおきたい
将来必要があれば自宅を処分してもよい

 

【検討】
① 成年後見制度
認知症になった場合、成年後見制度を利用することで、相談者の生活を支えることができます。

メリット
認知症になった後でも利用することができる。

デメリット
自宅の売却には、家庭裁判所の許可が必要。許可が得られない場合、売却することができない。
後見人が、司法書士・行政書士などがなった場合、後見人報酬が必要。
⇒後見人を選任するのは、家庭裁判所です。長男が後見人になれるとは限らない。

② 任意後見制度
相談者が元気なうちに、自分で後見人を選ぶことができます。

メリット
希望する人を後見人にすることができる(長男も可能。後見人報酬は、無くても利用可能)

デメリット
自宅売却の代理権があった場合でも、自宅売却するには後見監督人との協議を行います。
⇒もし、後見監督人が同意しなかった場合、自宅売却は難しいでしょう。

もし自宅を売却できなかった場合、自宅は空き家に!
長期間空き家になった場合、劣化・価値低下して、売却をすることが難しくなります!

③ 家族信託
相談者が元気なうちに、自宅を信託する信託契約を結びます。

メリット
相談者が認知症になった場合でも、受託者の判断で自宅を売却することができます。

デメリット
特になし。

 

【解決策】

相談者を【委託者】、長男を【受託者】、相談者の不動産・現金預金を【信託財産】とする【信託契約】を締結。(図の下)

家族信託を利用することで、
相談者が認知症になった場合も、
自宅が劣化・価値低下する前に自宅を売却することができます。

 

えんたけ行政書士事務所

行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

選択肢を残す

みなさん、達者らかね!?

家族信託専門の行政書士 えんたけです。

前回

相談事例をもと
 ・『自宅を手放したくない』親の気持ち

 ・『お金と手間がかかるから、売りたい』子供の気持ち

 親子の相反する気持ちについて、

そして

大切なことは

 『選択肢を残すこと』

と書きました。

では、選択肢を残すためにはどうしたらいいの・・・

選択肢を残すことを考える前に、

まず

選択肢が減ってゆくことについて考えてみましょう。

  

選択肢が減る原因は、主に・・・

『1、親の体調の変化』

 ・認知症になることで、意思判断ができない

『2、父の死亡』
 ・自宅を、母・長男・長女で相続
   自宅を売却するには、相続人全員の同意が必要
⇒ひとりでも反対したら売却することができない

 ・自宅を母が相続。母が認知症になると意思判断ができない

です。

 

続いて、

選択肢を残す方法について

検討してみましょう。

 

『1、親の体調の変化』

親の心身が衰え・認知症になると、

財産利用に制限が生じることがあるのです。

このことに対応するため、
本人を支援するための制度があります。

【成年後見制度】
認知症になり成年後見制度を利用した場合、
自宅を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。

元気なうちに子供と任意後見契約を締結。
認知症になり家族が任意後見人になった場合、
自宅を売るには、実務的には任意後見監督人と相談が必要。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。
この2つには、

柔軟性に欠けるという欠点があります。

元気な時の親の希望を、
実現できない可能性があるのです。

【家族信託】
元気なうちに子供と信託契約を締結。
自宅を信託財産とします。
認知症で判断能力がなくなっ場合でも、
受託者である子供の判断で自宅を売却することが可能。
もちろん、売却することなく、親が年一回自宅で過ごすことを優先することも可能。

家族信託は、
親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

 

つづいて

『2、父の死亡』

について検討してみます。

【自宅を母・長男・長女が相続】
自宅を売却するには、母・長男・長女全員の同意が必要。
ひとりでも同意しない場合は、売却することができず、
自宅の維持管理が必要になる
【自宅を母が相続】
母が元気なうちは、いいが、心身が衰えた場合
『1、親の体調の変化』と同様の検討が必要
【自宅を長男が相続】
母が反対したとしても、

長男の独断で売却できてしまう

以上が、相続をした場合です。

 

【家族信託】

両親の希望を盛り込んだ信託契約を締結。

受託者である子供は、希望を叶えるために自宅を管理することになる。

『1、親の体調の変化』と同様に

親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

以上

『1、親の体調の変化』
『2、父の死亡』

について検討してみました。

 

心身が衰えても

「選択肢が残っている」
というのは、
制度的に優れているのは
「家族信託」です。
特徴の一つに、
「柔軟に設計できる」

ということがあります。

 

もちろん、

より良い方法は、

家族によって異なるでしょう。

 

『選択肢を残す』

手遅れにならいないよう

元気なうちに
備えをしておくことが
行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

自宅を売ることの抵抗感

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

某市役所の税務課の方とお話ししました。
話題は「空き家」

現在でも、空き家に
頭を悩ませていますが、
今後、もっと深刻になってくる。
実感しました。

空き家は、
家族にとっても大問題です。

相談があった事例をご紹介します。

自宅は、両親二人暮らし
子供家族も自宅を持つ。

よくある家族風景です。

順番からいえば、
両親が先に亡くなります。

問題となってくるのが
両親の自宅。

築年数も古く、売ることは難しい。
自宅を解体しても、宅地の買い手はつくのか。
悩ましいところですよね。

ただし、両親が生活している間は、
本人たちもここで暮らしたい。

子供達も、親の気持ちを尊重したい。

・・・両親もいずれは介護が必要になる。
施設へ入居する可能性もあります。

『空き家になったら売ればいい』

子供は、そう考えるかもしれません。
でも、親はどうでしょう。

『年一回くらいは、自宅で過ごしたい』

想い出の詰まった、
人生の大半を過ごした
自宅を簡単に手放すことなんて、できない。

素直な気持ちではないでしょうか。

・・・半面、
子供達は、自宅を持っているため
両親の自宅は、手に余ってしまいます。

その上、固定資産税・空き家の管理など
お金と手間がかかる。

だから、売れるときに売っておきたい。

子供の正直な気持ちですよね。

……もし、親が認知症になったら?

自宅を売ることは難しくなってしまいます。

 

どうしたら良いのでしょう。

ここで大切なことは、
「選択肢を残すこと」
だと思います。

生活は変化してゆきます。

高齢の親の場合、
選択肢は、狭くなってゆきます。
身体・認知機能が衰えてゆくからです。

しかし、衰えても、
「選択肢が残っている」
ことで、その時その時の希望を
かなえることができるのです。

だから、
『今、売りたくない』
と思っても、

将来
『売りたい』
となった時のために

『選択肢を残す』

だから備えが必要なのです。

備えの方法については、また次回。

 

えんたけ行政書士事務所
行政書士・家族信託専門士 高橋 正芳

家族信託とは

『家族信託』は、新しい「財産管理」の方法です。

まずは下の図をご覧ください。

登場人物は、3人。

「委託者」=財産の所有者、財産を託す者
※委託者が託す財産=「信託財産」

「受託者」=財産を管理・活用などをする者

「受益者」=財産から利益・給付を受ける者

例えば

高齢の親の認知症対策として利用する場合

「委託者」「受益者」=親

「受託者」=子供

となることが多くなります。

 

では、具体的にどんな場合に役立つのでしょうか。

【『家族信託』の代表的な利用例】

1)
「認知症対策」・・・認知症の本人の生活支援(生活費・介護費・医療費などの支払い)
認知症による銀行口座の凍結・自宅の凍結を回避

2)
「財産の承継」・・・遺言機能、2次相続以降の承継先を指定

3)
「親なきあと問題」・・・知的障がいのある子の生活支援

4)
「空き家対策」・・・高齢の親の自宅の処分・活用

5)
「事業承継」・・・企業や個人事業の引継ぎ

6)
「その他」・・・様々なリスクに対処することが可能です