老親のアパートを管理する

こんにちは。
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

相続に関する規定が、7月に変わります。
亡くなった方の預金を引出すには、相続人
全員の同意が必要ですが、7月から相続人
の一人で一定金額を引出すことができます。
詳しくは、以下を参照ください。
「争い回避へ変わる相続 7月から、
 介護「嫁」も請求権」
今年1月、自筆証書遺言の要件緩和がスタート
来年7月には、自筆証書遺言を法務局で保管
する制度もスタートします。

このホームページでは、今後も役立つ情報を、
ドシドシ提供してまいます!

老親のアパートを管理したい

父が、運転免許更新前の「認知機能検査(いわゆる認知症テスト)」を受けて医者の診断書を提出するように言われてしまいました。
築50年のアパートを修繕か建直しを検討していた矢先の事で、とても驚いています。
認知症は、進行が早い場合があると聞いて、焦っています。
どうしたらよいでしょうか。

それは大変ですね。
お医者さんの診断結果はどうでしたか?

一応は「問題ない」と言われました。
でも、物忘れはあるんですよ。

お父さんの状況によっては、対策を進められない場合があるので、早速、検討してゆきましょう。

対策をしなかった場合

万が一、対策せずお父さんが認知症になった場合、アパートの管理・修繕、新たな賃貸借契約、取り壊し、建替え、アパートや土地の売却は、難しくなります。

そうですよね。テレビで観たことがあります。
「成年後見制度」を使うことで、解決するとも聞いています。

はい。お父さんに「後見人」をつけることで出来ることはあります。
できるのは、アパートの管理、雨漏り等の修繕、新たな賃貸借契約。不動産の売却も、家庭裁判所がOKすれば進められます。

アパートが古いので、今っぽくリフォームをして、入居者を増やしたいのです。
建替えも視野に入れています。

難しいと思います。そのような使い方って「投資的」とみなされ、できないとされています。
「現状維持」が基本になってゆくでしょうね。

そうなのですね・・・。
私が近所に暮らしているので、私が後見人になりたいのですが。

長女さんが後見人になれるとは限りません。
最終的には家庭裁判所が選ぶのですよ。
最近の傾向としては、7割以上が専門職(弁護士・司法書士等)が選ばれています。
(東京家庭裁判所後見センター資料より)

えぇ!そうなのですか。

お父さんの預金や印鑑等、全ての財産を後見人が管理することになります。
さらに、後見人への報酬として、月2万円以上を支払わなければなりません。
お父さんの財産は、、、4千万円ほどですね。すると、月3~4万円を、お父さんが亡くなるまで支払い続けることになるでしょう。

親のお世話を、子供が全部できないのでしょうか・・・。

対策その1 任意後見契約をする

任意後見契約も検討してみましょう。
お父さんの判断能力があるうちに、長女or長男さんと任意後見契約を結びます。
こうすることで、お父さんが認知症になった場合でも、子供さんが後見人になって、
お父さんの財産管理、アパートの管理もすることができます。

そうなんですね。

ただし。なんでも出来るわけではないのです。

例えば?

先程「アパートの大規模なリフォーム」「建替え」を考えているって、言ってましたよね?
先程と同じく「投資的」なお金の使い方は、難しいとされているのです。

そうなんですか!?

はい。もちろん、アパートの管理、雨漏り等の修繕、新たな賃貸借契約はできますよ。

そうか~。私達の代のことを考えると、厳しいな~。

もうひとつ方法があります。『家族信託』です。

対策その2 家族信託

その『家族信託』なら、大規模リフォーム、建替えができるのでしょうか?

可能です。
お父さんも希望されているのですよね?
であれば、可能です。
銀行の借入もできます。

家族信託について詳しく教えてください。

お父さんを「委託者&受益者」長女さんを「受託者」とする信託契約を結び、お父さんのアパート等を長女さんに、託します。
長女さんは、託された財産の管理や、必要に応じてリフォームを行うこともできます。

アパートの賃料収入はどうなりますか?

賃料収入は、お父さんのものです。
生活費・介護費等、お父さんの生活に使用することができます。

私達の希望を実現するなら『家族信託』が良いですね。

そのようですね。
ただ、アパートも大切ですが、お父さんの生活を支えてゆくことも大切です。
家族信託だけではカバーしきれない部分も出てくるかもしれません。
その場合、家族信託と任意後見契約を併用することで、より安心できると思います。

お問合せは、コチラ
えんたけ行政書士事務所
TEL:0256-55-6139  <10時~19時 (土日・祝日を除く)>
メール:info(アットマーク)entake.net

空家になった老親の自宅を売る

こんにちは。
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

「老後資金 2000万円」が話題ですが、先日
39歳のサラリーマンとお話したところ、老後
のお金の不安をリアルに訴えていました。老
後を心配して生きるって、本当に残念!
若い方々へ向けた「老後のお金」のお話も、
やってゆこうかな、なんて考えてます。

さて今日のテーマは、
「空家になった老親の自宅を売る」
空き家急増の日本。
家族信託が、空き家対策の要になるやもしれ
ませんよ。

空き家になった親の自宅を売る

先日、こんな相談がありました。

私の母が、老人ホームに入りました。
母は、自宅へ戻ることはできないので、自宅を売りたいのです。500万円で売れそうなので、施設費用に充てたいのです。

お母様の判断能力はありますか?

判断能力?

つまり、認知症ですか?

実は、そうなのです。
私のことも忘れてしまって・・・
それで、自宅にひとりで置いておけなくなったのです。

そうなのですね。
重い認知症の方の自宅は、売ることが難しくなるんですよ・・・。

え!?
売ったお金で施設費用にしようと思ったのに・・・・。

どうしても売りたいのであれば・・・。

事後対応 「後見人をつける」

重い認知症の方の自宅を売りたい場合、後見
人をつけることで、売ることが出来る場合が
あります。

ただし、一度つけたら、お母様が亡くなるまで外すことはできません。
それから、最近は、後見人の7割は専門職(弁護士、司法書士等)が選ばれています。専門職が選ばれた場合、以下の費用が必要です。
(東京家庭裁判所後見センター資料より)

えぇ!
これじゃあ、自宅を売っても、ほとんど残らなくなってしまいそうですね・・・。

事前対応その1 「家族信託」

お母様が元気なうちに「家族信託」を利用した場合・・・

なるほど。「受託者(じゅたくしゃ)」である私が自宅を売ることができるようになるんですね。

その通りです。
子供であるあなたが行うので、後見人に払うような報酬も必要ないですよね。

そうですね。その分、母の為に貢献できますね。

「家族信託」以外でも、対策は可能です。それは・・・。

事前対応その2「任意後見契約」

お母様が元気なうちに「任意後見契約」を結んだ場合・・・

監督人や裁判所が関わってくるのですね。

そうです。自宅を売る場合、監督人と事前に相談する必要があるでしょう。

家族信託とどこが違うのですか?

「任意後見」は、全ての財産を対象とすることができます。
「家族信託」は、実質的に全財産を対象とはできません。
「家族信託」では、「自宅」「アパート」「現金の一部」「株」など、特定の財産が対象となります。

監督人がつくということは、監督人に支払うお金も必要なのですね。

はい。あいまいな答えで申し訳なのですが、後見人報酬の半分くらいの報酬になると、聞いています。

そうなのですね。
我が家の場合は、「母の自宅」を売りたいだけなのですが。

そうであれば、「家族信託」が良いですね。
必要に応じて「任意後見」「成年後見」の制度を使うと良いでしょう。

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配偶者の認知症対策 その2

こんにちは。
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

驚きました!
人生100年時代の資産形成に関する報告書
(記事は、日経新聞)
を金融庁が出したのです。
要は「年金じゃ老後は賄えないから、自分で
準備しましょうね」ということ。
私「役所の嘘つきーー!」って思いましたよ。

親の老後、介護、財産の引き継ぎ、家族仲。
私達の老後にも、深く影響します。
本日の内容も、大きな影響がありますよ。

前回の続きです。

認知症の妻を支えるには

お父さん
お父さん

家族で妻を支えるためには、どうしたら良いでしょう?

家族信託があります。
簡単に説明しますね。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

お、お願いします!

お父さんのお金・自宅・アパートを、長女へ「託し」ます。
これを「信託する」といいます。
長女は、お父さんやお母さんの生活の為に、財産を管理したり、生活費の支払いをして、ご両親の生活を支えます。

えんたけ
えんたけ
この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 無題-1.jpg です
お父さん
お父さん

私が死んだら、どうなるのですか?

以下のようになります。

えんたけ
えんたけ

娘さんは、お母さんの為に財産を管理しながら、お母さんの生活を支えることができるのです。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

じゃあ、私が遺言を書いた場合は、どうなるのでしょうか?

遺言を書いた場合

遺言がある場合、遺産分割協議をする必要はなくなります。
(遺言で全財産を相続した場合)

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

じゃあ、遺言で十分ですね。
妻にアパート相続させて、アパートの賃料で妻の生活を支えてあげたいです。

ただし、です。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

え。何があるんですか

奥様が相続した財産は、奥様が自由に使えない場合もあります。
例えば、アパートの賃貸借契約を奥様は結ぶことができないと思います。「意思能力がない人が行った契約は、無効」なのです。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

えー!不動産屋さんに管理は任せてあるから、良いと思ったのに・・・。そうなると、やっぱり後見人を付けなきゃいけないのか・・・。

遺言だけでは、不十分です。
お父さん家族の場合は、家族信託が良いと思います。
家族信託以外にも、奥様や家族、みんなの幸せのために、出来る事がありますので、ぜひ、詳しくお話を伺わせてください。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

はい!
よろしくお願いします。

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配偶者の認知症対策 その1

こんにちは。
家族信託専門の行政書士 えんたけです。
先日のブログの約束が守れそうです。
誰との約束か? 『自分との約束』です。
人との約束も大切ですが、
私は『自分との約束』が一番大切と思います。
ナゼ? 理由は2つ。
1、自分との約束が守れれば、人との約束も
  守ることができますし、
2、約束を守ることで、自分を承認できる
  からです。
さあ、今日は、『配偶者の認知症対策』です。

お父さん
お父さん

私の妻は、重い認知症です。
私も80歳になりました。
もし、私の方が早く亡くなった場合、妻が安心して生活できるようにしてあげたい のですが。

そうなのですね。
お父さんが元気なうちに、対策をしておきましょう!

えんたけ
えんたけ

一家の家族関係

お父さん
お父さん

夫婦二人暮らしです。妻はデイサービスへ通って
いますが、在宅介護に限界を感じており、
施設へ入ることを考えています。

在宅でがんばってこられたのですね。

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

長男は遠方で暮らしています。
長女は、結婚し同じ街で暮らしています。

対策せずお父さんが亡くなった場合

お父さんが何の準備もせず亡くなった場合、財産相続するには、相続人である妻、長男、長女の遺産分割協議を行わなければなりません。

えんたけ
えんたけ


 妻は認知症です。遺産分割協議をする事が
できません。このため、相続手続きをするに
は、妻に後見人を付けその後見人が長男、長
女とともに遺産分割協議をする必要がありま
す。

お父さん
お父さん

え!後見人が必要なんですか!

しかし、手続きが終わったからと言って、後見人を外すことはできません。妻が亡くなるまで後見人が付き続けることになります。

えんたけ
えんたけ


 前回も書きましたが、専門家(弁護士等)が
後見人になった場合、月2万以上の報酬を奥さ
んが亡くなるまで支払い続けることになります
し、奥さんの財産は後見人が管理し続けること
になります。

お父さん
お父さん

妻のお金は後見人が管理するのですか?
子供がいるのに・・・?

後見人は、裁判所が選ぶのです。
最近は、後見人の7割は専門家(弁護士・司法書士等)が選ばれているんですよ・・・。
(最高裁判所事務総局家庭局より)

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

どうしたら良いでしょう?

お父さんが「遺言」を書く方法が一般的です。
しかし、今回の場合、遺言だけだと、別の問題もありそうです。でも、安心してください。
その問題は、「家族信託」で解決することができます!

えんたけ
えんたけ
お父さん
お父さん

家族信託ですか?
詳しく教えてください。

それでは、、、、次回のブログでお伝えいたしますね!

えんたけ
えんたけ

お問合せは、コチラ
えんたけ行政書士事務所
TEL:0256-55-6139
メール:info(アットマーク)entake.net

家族信託で認知症対策

 こんにちは。家族信託専門の行政書士 えんたけです。
 一年ぶりのブログ更新になってしまいました・・・。
 「書こう、書こう」という思いと、後悔にあふれたこの一年(笑)
 「継続する」ことの難しさを、実感いたしました。
 あなたは、どうでしょう?継続できるものは、ありますか?

最初のテーマは『認知症対策』

お母さん
お母さん

一人暮らしです。
最近、物忘れが出て来ており、不安です。
将来、施設に入ったら自宅を売って、お金にしたいのですが、どうしたら良いでしょうか。

認知症になってしまうと、自宅を売るのは大変になってしまいます。今のうちに「任意後見契約」か「家族信託契約」で準備することをおススメします。

えんたけ
えんたけ

もし、対策せず認知症になった場合

 自分では財産管理が出来なくなります。家族に任せることになるでしょう。
 しかし、家族が全てできるわけでは、ありません。

 例えば、銀行の定期預金を解約する場合です。本人が手続きを行う必要があります。本人は認知症。すると、銀行からは
「成年後見人を付けてください」と言われる可能性があります。

お母さん
お母さん

えーー!
じゃあ、自宅を売ることもできませんか?

難しいと思います。
後見人を付ける必要があるでしょうね。
課題もあります。
後見人は、自宅を売った後もはずせません。
あなたが亡くなるまで、月2万円以上の報酬を支払い続けながら、あなたの財産を管理し続けることになります。

えんたけ
えんたけ
お母さん
お母さん

じゃあ、今のうちになにをすればよいでしょうか。

任意後見で備える

今のうちに、子供さんと「任意後見契約」を結ぶ方法があります。

えんたけ
えんたけ

 元気な間に、子供を後見人に選ぶ事ができるのが「任意後見契約」です。お母さんをよく知る子供なので、安心して任せる事ができますね。

 お母さんが認知症になった場合、子供は後見人として、お母さんの預貯金で生活費や介護・医療費の支払いをします。自宅の売却もできるでしょう。
 ただし、制限もあります。
 任意後見監督人(弁護士・司法書士など)が、子供を監視監督を行うのです。当然、監督人にも報酬が必要になります。

家族信託で備える

自宅を売りたいだけであれば、『家族信託』を利用する方法があります。

えんたけ
えんたけ

 元気なうちに、お母さんの財産を信頼できる子供に託すのが「家族信託」です。子供は、お母さんの為に財産を管理します。

 お母さんの自宅を売ることができます。
 売ったお金で、お母さんの生活費・介護費・医療費の支払いを行うことができます。
 家族信託に、監督人は不要です。お母さんと子供だけで、OKです。(必要に応じて監督人を付けることもできます)

家族信託についてもっと詳しく知りたい方は、
お問合せ下さいね。

えんたけ
えんたけ

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TEL:0256-55-6139
メール:info(アットマーク)entake.net

飼い主亡き後のペットのための信託

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

飼い主亡き後のペットの記事。

https://news.joint-kaigo.com/article-7/pg726.html

高齢者のペットについて困った経験をした
ケアマネは82%にも登るそうです。

「入院後に在宅困難となり自宅に残されたペットの対応に苦慮した」

「利用者がペットの世話をきちんとできなくなり、排泄物で清潔が保てていない」
(以上、記事引用)

一人暮らし、夫婦だけ世帯には、

ペットを飼っている人も多いと思います。

ただ、飼い主が病気・介護によって

ペットの飼育ができなくなったら・・・

家族同然のペットが、取り残されることなく
安全安心に暮らしていけるには、
どんな備えが必要なのでしょう。

 

① 家族・ペット仲間に、事前にお願いする

「いざとなったらお願い」と
ペットの飼育費を預けておく。
(法的には「委任契約」となる)

デメリット
委任者が死亡した場合、飼育費は相続財産となるため、
受任者は飼育費を持ち続けることができなくなる。

 

② 遺言で飼育費を受任者に遺贈する

①に加えて、遺言で飼育費を遺贈。

デメリット
飼育費がペットのために使われているのか
確認できない。

 

③ 家族信託を利用する

【委託者 兼 受益者】を本人
【受託者】を家族(or ペット仲間)

本人が世話をできなくなったら、
【動物愛護施設などへ世話を依頼】
【ペット仲間へ世話を依頼】

ペットの飼育費は
【受託者】が【信託財産】から支払います。

 

もし、本人が亡くなってしまった場合
【第2受益者】を家族(or ペット仲間)とし
ペットが最後まで安心して生活できるようにします。

 

本人が亡くなった後も
飼育費をペットのために使うことを
信託契約で決めておくので安心です。

(それでも心配なら、信託監督人を付けるなども可能)

えんたけ行政書士事務所
行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

再婚カップルのための家族信託

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

突然ですが。

「再婚する人」は、
年間で何組いるか知ってますか?

 

夫婦とも、「初めて結婚」する人たちは減少傾向
平成27年では約46万組

一方

夫婦とも「再婚」又はどちらか一方が「再婚」は、
平成27年では約17万組
近年はほぼ横ばい

結婚に占める割合では、
「再婚」は、上昇傾向にあります。

【厚労省 平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況より】

 

再婚夫婦には、
老後の生活で、特有の課題があるのです。

【事例】

A子(60歳)・B男(60歳)は、再婚同士。

夫婦は、B男の自宅で生活することに。

子供たちは全員独立しています。

この再婚に、
B男の子供達は、反対していたのでした。

【家族関係】
A子(60歳)・B男(60歳)は、再婚同士。
再婚に、B男の子供達は、反対していた。

【財産】
B男 自宅
現金・預金
A子 現金・預金

【B男の希望】
自分亡き後、自宅・預金を
A子に相続させたい
(A子の生活を支えてゆくため)

ただし、A子が亡くなったら、
自分の子供たちへ相続させたい

※A子も、B男と同じ希望をもっている

【検討】

【何の備えもしない】
B男が亡くなった場合、
A子とB男の子供たち遺産分割協議をする必要があります。

子供たちは、再婚を快く思っていなかったため、
分割協議に応じてくれませんでした。

結局、
A子は、B男の子供たちの主張を受け入れ、
B男の自宅から出ていくことになりました。

 

【遺言】
B男が、「自宅はA子、預金は子供たち」
と遺言することで、手続きはスムースに

 

しかし、A子が死亡後、自宅はA子の子供たちが相続

A子の財産も同様となります。

結局
B男の自宅は、他人であるA子の子供たちのものになりました。

 

【家族信託】
B男は、子供と信託契約を締結。
B男の自宅・預金を信託。

B男死亡後、第2受益者 A子

A子死亡後、帰属権利者を、子供たちとする。

こうすることで、

B男死亡後、A子は自宅で住み続けることができ、

A子死亡後、B男の子供の元へ

財産が渡ることが可能となります。

 

【ポイント】

遺言では、資産の行き先をこのように決めることができません
これが可能なのは、家族信託だけです。

 

自分亡き後の妻(夫)の生活を支えたい。

そう考えるなら、

「子供たちが何とかしてくれるだろう」

という甘い考えは捨てて、

元気なうちに、「備え」をしておくべきなのです。

 

えんたけ行政書士事務所

行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

親の自宅の空き家対策

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

5月21日に加茂まつりがあり、
神輿を担ぎました。
商店街から街中へ。
住宅街には、空き家と思われる
古く朽ちかけた建物が、ズラリ。
その数に圧巻されました。

さて、問題ある空き家にしないためには
早めの対策が大切です。

事例をもとに、
対策方法を検討してみましょう。

 

【事例】

相談者(母83歳)
:現在一人暮らしです。自宅で暮らしているが、最近、物忘れも出てきました。
そろそろ安心できる施設へ移住を考えています。
自宅は、時々帰ったりしたいので、しばらくそのままにしておきたい。
将来必要があれば、貸しても売ってもいいと思っています。

【家族関係】
母は自宅で一人暮らし
長男は同じ市内に自宅を所有

【財産】
自宅不動産
現金・預金

【相談者の希望】
施設へ移住した後も、自宅はしばらく処分しないでおきたい
将来必要があれば自宅を処分してもよい

 

【検討】
① 成年後見制度
認知症になった場合、成年後見制度を利用することで、相談者の生活を支えることができます。

メリット
認知症になった後でも利用することができる。

デメリット
自宅の売却には、家庭裁判所の許可が必要。許可が得られない場合、売却することができない。
後見人が、司法書士・行政書士などがなった場合、後見人報酬が必要。
⇒後見人を選任するのは、家庭裁判所です。長男が後見人になれるとは限らない。

② 任意後見制度
相談者が元気なうちに、自分で後見人を選ぶことができます。

メリット
希望する人を後見人にすることができる(長男も可能。後見人報酬は、無くても利用可能)

デメリット
自宅売却の代理権があった場合でも、自宅売却するには後見監督人との協議を行います。
⇒もし、後見監督人が同意しなかった場合、自宅売却は難しいでしょう。

もし自宅を売却できなかった場合、自宅は空き家に!
長期間空き家になった場合、劣化・価値低下して、売却をすることが難しくなります!

③ 家族信託
相談者が元気なうちに、自宅を信託する信託契約を結びます。

メリット
相談者が認知症になった場合でも、受託者の判断で自宅を売却することができます。

デメリット
特になし。

 

【解決策】

相談者を【委託者】、長男を【受託者】、相談者の不動産・現金預金を【信託財産】とする【信託契約】を締結。(図の下)

家族信託を利用することで、
相談者が認知症になった場合も、
自宅が劣化・価値低下する前に自宅を売却することができます。

 

えんたけ行政書士事務所

行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

選択肢を残す

みなさん、達者らかね!?

家族信託専門の行政書士 えんたけです。

前回

相談事例をもと
 ・『自宅を手放したくない』親の気持ち

 ・『お金と手間がかかるから、売りたい』子供の気持ち

 親子の相反する気持ちについて、

そして

大切なことは

 『選択肢を残すこと』

と書きました。

では、選択肢を残すためにはどうしたらいいの・・・

選択肢を残すことを考える前に、

まず

選択肢が減ってゆくことについて考えてみましょう。

  

選択肢が減る原因は、主に・・・

『1、親の体調の変化』

 ・認知症になることで、意思判断ができない

『2、父の死亡』
 ・自宅を、母・長男・長女で相続
   自宅を売却するには、相続人全員の同意が必要
⇒ひとりでも反対したら売却することができない

 ・自宅を母が相続。母が認知症になると意思判断ができない

です。

 

続いて、

選択肢を残す方法について

検討してみましょう。

 

『1、親の体調の変化』

親の心身が衰え・認知症になると、

財産利用に制限が生じることがあるのです。

このことに対応するため、
本人を支援するための制度があります。

【成年後見制度】
認知症になり成年後見制度を利用した場合、
自宅を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。

元気なうちに子供と任意後見契約を締結。
認知症になり家族が任意後見人になった場合、
自宅を売るには、実務的には任意後見監督人と相談が必要。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。
この2つには、

柔軟性に欠けるという欠点があります。

元気な時の親の希望を、
実現できない可能性があるのです。

【家族信託】
元気なうちに子供と信託契約を締結。
自宅を信託財産とします。
認知症で判断能力がなくなっ場合でも、
受託者である子供の判断で自宅を売却することが可能。
もちろん、売却することなく、親が年一回自宅で過ごすことを優先することも可能。

家族信託は、
親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

 

つづいて

『2、父の死亡』

について検討してみます。

【自宅を母・長男・長女が相続】
自宅を売却するには、母・長男・長女全員の同意が必要。
ひとりでも同意しない場合は、売却することができず、
自宅の維持管理が必要になる
【自宅を母が相続】
母が元気なうちは、いいが、心身が衰えた場合
『1、親の体調の変化』と同様の検討が必要
【自宅を長男が相続】
母が反対したとしても、

長男の独断で売却できてしまう

以上が、相続をした場合です。

 

【家族信託】

両親の希望を盛り込んだ信託契約を締結。

受託者である子供は、希望を叶えるために自宅を管理することになる。

『1、親の体調の変化』と同様に

親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

以上

『1、親の体調の変化』
『2、父の死亡』

について検討してみました。

 

心身が衰えても

「選択肢が残っている」
というのは、
制度的に優れているのは
「家族信託」です。
特徴の一つに、
「柔軟に設計できる」

ということがあります。

 

もちろん、

より良い方法は、

家族によって異なるでしょう。

 

『選択肢を残す』

手遅れにならいないよう

元気なうちに
備えをしておくことが
行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

自宅を売ることの抵抗感

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

某市役所の税務課の方とお話ししました。
話題は「空き家」

現在でも、空き家に
頭を悩ませていますが、
今後、もっと深刻になってくる。
実感しました。

空き家は、
家族にとっても大問題です。

相談があった事例をご紹介します。

自宅は、両親二人暮らし
子供家族も自宅を持つ。

よくある家族風景です。

順番からいえば、
両親が先に亡くなります。

問題となってくるのが
両親の自宅。

築年数も古く、売ることは難しい。
自宅を解体しても、宅地の買い手はつくのか。
悩ましいところですよね。

ただし、両親が生活している間は、
本人たちもここで暮らしたい。

子供達も、親の気持ちを尊重したい。

・・・両親もいずれは介護が必要になる。
施設へ入居する可能性もあります。

『空き家になったら売ればいい』

子供は、そう考えるかもしれません。
でも、親はどうでしょう。

『年一回くらいは、自宅で過ごしたい』

想い出の詰まった、
人生の大半を過ごした
自宅を簡単に手放すことなんて、できない。

素直な気持ちではないでしょうか。

・・・半面、
子供達は、自宅を持っているため
両親の自宅は、手に余ってしまいます。

その上、固定資産税・空き家の管理など
お金と手間がかかる。

だから、売れるときに売っておきたい。

子供の正直な気持ちですよね。

……もし、親が認知症になったら?

自宅を売ることは難しくなってしまいます。

 

どうしたら良いのでしょう。

ここで大切なことは、
「選択肢を残すこと」
だと思います。

生活は変化してゆきます。

高齢の親の場合、
選択肢は、狭くなってゆきます。
身体・認知機能が衰えてゆくからです。

しかし、衰えても、
「選択肢が残っている」
ことで、その時その時の希望を
かなえることができるのです。

だから、
『今、売りたくない』
と思っても、

将来
『売りたい』
となった時のために

『選択肢を残す』

だから備えが必要なのです。

備えの方法については、また次回。

 

えんたけ行政書士事務所
行政書士・家族信託専門士 高橋 正芳