空家になった老親の自宅を売る

こんにちは。
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

「老後資金 2000万円」が話題ですが、先日
39歳のサラリーマンとお話したところ、老後
のお金の不安をリアルに訴えていました。老
後を心配して生きるって、本当に残念!
若い方々へ向けた「老後のお金」のお話も、
やってゆこうかな、なんて考えてます。

さて今日のテーマは、
「空家になった老親の自宅を売る」
空き家急増の日本。
家族信託が、空き家対策の要になるやもしれ
ませんよ。

空き家になった親の自宅を売る

先日、こんな相談がありました。

私の母が、老人ホームに入りました。
母は、自宅へ戻ることはできないので、自宅を売りたいのです。500万円で売れそうなので、施設費用に充てたいのです。

お母様の判断能力はありますか?

判断能力?

つまり、認知症ですか?

実は、そうなのです。
私のことも忘れてしまって・・・
それで、自宅にひとりで置いておけなくなったのです。

そうなのですね。
重い認知症の方の自宅は、売ることが難しくなるんですよ・・・。

え!?
売ったお金で施設費用にしようと思ったのに・・・・。

どうしても売りたいのであれば・・・。

事後対応 「後見人をつける」

重い認知症の方の自宅を売りたい場合、後見
人をつけることで、売ることが出来る場合が
あります。

ただし、一度つけたら、お母様が亡くなるまで外すことはできません。
それから、最近は、後見人の7割は専門職(弁護士、司法書士等)が選ばれています。専門職が選ばれた場合、以下の費用が必要です。
(東京家庭裁判所後見センター資料より)

えぇ!
これじゃあ、自宅を売っても、ほとんど残らなくなってしまいそうですね・・・。

事前対応その1 「家族信託」

お母様が元気なうちに「家族信託」を利用した場合・・・

なるほど。「受託者(じゅたくしゃ)」である私が自宅を売ることができるようになるんですね。

その通りです。
子供であるあなたが行うので、後見人に払うような報酬も必要ないですよね。

そうですね。その分、母の為に貢献できますね。

「家族信託」以外でも、対策は可能です。それは・・・。

事前対応その2「任意後見契約」

お母様が元気なうちに「任意後見契約」を結んだ場合・・・

監督人や裁判所が関わってくるのですね。

そうです。自宅を売る場合、監督人と事前に相談する必要があるでしょう。

家族信託とどこが違うのですか?

「任意後見」は、全ての財産を対象とすることができます。
「家族信託」は、実質的に全財産を対象とはできません。
「家族信託」では、「自宅」「アパート」「現金の一部」「株」など、特定の財産が対象となります。

監督人がつくということは、監督人に支払うお金も必要なのですね。

はい。あいまいな答えで申し訳なのですが、後見人報酬の半分くらいの報酬になると、聞いています。

そうなのですね。
我が家の場合は、「母の自宅」を売りたいだけなのですが。

そうであれば、「家族信託」が良いですね。
必要に応じて「任意後見」「成年後見」の制度を使うと良いでしょう。

お問合せは、コチラ
えんたけ行政書士事務所
TEL:0256-55-6139
メール:info(アットマーク)entake.net

親の自宅の空き家対策

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

5月21日に加茂まつりがあり、
神輿を担ぎました。
商店街から街中へ。
住宅街には、空き家と思われる
古く朽ちかけた建物が、ズラリ。
その数に圧巻されました。

さて、問題ある空き家にしないためには
早めの対策が大切です。

事例をもとに、
対策方法を検討してみましょう。

 

【事例】

相談者(母83歳)
:現在一人暮らしです。自宅で暮らしているが、最近、物忘れも出てきました。
そろそろ安心できる施設へ移住を考えています。
自宅は、時々帰ったりしたいので、しばらくそのままにしておきたい。
将来必要があれば、貸しても売ってもいいと思っています。

【家族関係】
母は自宅で一人暮らし
長男は同じ市内に自宅を所有

【財産】
自宅不動産
現金・預金

【相談者の希望】
施設へ移住した後も、自宅はしばらく処分しないでおきたい
将来必要があれば自宅を処分してもよい

 

【検討】
① 成年後見制度
認知症になった場合、成年後見制度を利用することで、相談者の生活を支えることができます。

メリット
認知症になった後でも利用することができる。

デメリット
自宅の売却には、家庭裁判所の許可が必要。許可が得られない場合、売却することができない。
後見人が、司法書士・行政書士などがなった場合、後見人報酬が必要。
⇒後見人を選任するのは、家庭裁判所です。長男が後見人になれるとは限らない。

② 任意後見制度
相談者が元気なうちに、自分で後見人を選ぶことができます。

メリット
希望する人を後見人にすることができる(長男も可能。後見人報酬は、無くても利用可能)

デメリット
自宅売却の代理権があった場合でも、自宅売却するには後見監督人との協議を行います。
⇒もし、後見監督人が同意しなかった場合、自宅売却は難しいでしょう。

もし自宅を売却できなかった場合、自宅は空き家に!
長期間空き家になった場合、劣化・価値低下して、売却をすることが難しくなります!

③ 家族信託
相談者が元気なうちに、自宅を信託する信託契約を結びます。

メリット
相談者が認知症になった場合でも、受託者の判断で自宅を売却することができます。

デメリット
特になし。

 

【解決策】

相談者を【委託者】、長男を【受託者】、相談者の不動産・現金預金を【信託財産】とする【信託契約】を締結。(図の下)

家族信託を利用することで、
相談者が認知症になった場合も、
自宅が劣化・価値低下する前に自宅を売却することができます。

 

えんたけ行政書士事務所

行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

選択肢を残す

みなさん、達者らかね!?

家族信託専門の行政書士 えんたけです。

前回

相談事例をもと
 ・『自宅を手放したくない』親の気持ち

 ・『お金と手間がかかるから、売りたい』子供の気持ち

 親子の相反する気持ちについて、

そして

大切なことは

 『選択肢を残すこと』

と書きました。

では、選択肢を残すためにはどうしたらいいの・・・

選択肢を残すことを考える前に、

まず

選択肢が減ってゆくことについて考えてみましょう。

  

選択肢が減る原因は、主に・・・

『1、親の体調の変化』

 ・認知症になることで、意思判断ができない

『2、父の死亡』
 ・自宅を、母・長男・長女で相続
   自宅を売却するには、相続人全員の同意が必要
⇒ひとりでも反対したら売却することができない

 ・自宅を母が相続。母が認知症になると意思判断ができない

です。

 

続いて、

選択肢を残す方法について

検討してみましょう。

 

『1、親の体調の変化』

親の心身が衰え・認知症になると、

財産利用に制限が生じることがあるのです。

このことに対応するため、
本人を支援するための制度があります。

【成年後見制度】
認知症になり成年後見制度を利用した場合、
自宅を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。

元気なうちに子供と任意後見契約を締結。
認知症になり家族が任意後見人になった場合、
自宅を売るには、実務的には任意後見監督人と相談が必要。
場合によっては、許可がでないことも
許可が出ない場合は、自宅を維持管理し続けなければなりません。
この2つには、

柔軟性に欠けるという欠点があります。

元気な時の親の希望を、
実現できない可能性があるのです。

【家族信託】
元気なうちに子供と信託契約を締結。
自宅を信託財産とします。
認知症で判断能力がなくなっ場合でも、
受託者である子供の判断で自宅を売却することが可能。
もちろん、売却することなく、親が年一回自宅で過ごすことを優先することも可能。

家族信託は、
親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

 

つづいて

『2、父の死亡』

について検討してみます。

【自宅を母・長男・長女が相続】
自宅を売却するには、母・長男・長女全員の同意が必要。
ひとりでも同意しない場合は、売却することができず、
自宅の維持管理が必要になる
【自宅を母が相続】
母が元気なうちは、いいが、心身が衰えた場合
『1、親の体調の変化』と同様の検討が必要
【自宅を長男が相続】
母が反対したとしても、

長男の独断で売却できてしまう

以上が、相続をした場合です。

 

【家族信託】

両親の希望を盛り込んだ信託契約を締結。

受託者である子供は、希望を叶えるために自宅を管理することになる。

『1、親の体調の変化』と同様に

親の希望を
「冷凍保存」することができ、
必要に応じて、
「解凍」

希望を実現できる可能性が高くなります。

以上

『1、親の体調の変化』
『2、父の死亡』

について検討してみました。

 

心身が衰えても

「選択肢が残っている」
というのは、
制度的に優れているのは
「家族信託」です。
特徴の一つに、
「柔軟に設計できる」

ということがあります。

 

もちろん、

より良い方法は、

家族によって異なるでしょう。

 

『選択肢を残す』

手遅れにならいないよう

元気なうちに
備えをしておくことが
行政書士・家族信託専門士 高橋正芳

自宅を売ることの抵抗感

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

某市役所の税務課の方とお話ししました。
話題は「空き家」

現在でも、空き家に
頭を悩ませていますが、
今後、もっと深刻になってくる。
実感しました。

空き家は、
家族にとっても大問題です。

相談があった事例をご紹介します。

自宅は、両親二人暮らし
子供家族も自宅を持つ。

よくある家族風景です。

順番からいえば、
両親が先に亡くなります。

問題となってくるのが
両親の自宅。

築年数も古く、売ることは難しい。
自宅を解体しても、宅地の買い手はつくのか。
悩ましいところですよね。

ただし、両親が生活している間は、
本人たちもここで暮らしたい。

子供達も、親の気持ちを尊重したい。

・・・両親もいずれは介護が必要になる。
施設へ入居する可能性もあります。

『空き家になったら売ればいい』

子供は、そう考えるかもしれません。
でも、親はどうでしょう。

『年一回くらいは、自宅で過ごしたい』

想い出の詰まった、
人生の大半を過ごした
自宅を簡単に手放すことなんて、できない。

素直な気持ちではないでしょうか。

・・・半面、
子供達は、自宅を持っているため
両親の自宅は、手に余ってしまいます。

その上、固定資産税・空き家の管理など
お金と手間がかかる。

だから、売れるときに売っておきたい。

子供の正直な気持ちですよね。

……もし、親が認知症になったら?

自宅を売ることは難しくなってしまいます。

 

どうしたら良いのでしょう。

ここで大切なことは、
「選択肢を残すこと」
だと思います。

生活は変化してゆきます。

高齢の親の場合、
選択肢は、狭くなってゆきます。
身体・認知機能が衰えてゆくからです。

しかし、衰えても、
「選択肢が残っている」
ことで、その時その時の希望を
かなえることができるのです。

だから、
『今、売りたくない』
と思っても、

将来
『売りたい』
となった時のために

『選択肢を残す』

だから備えが必要なのです。

備えの方法については、また次回。

 

えんたけ行政書士事務所
行政書士・家族信託専門士 高橋 正芳

お父さんの認知症対策(空き家対策)

みなさん、達者らかね!?
家族信託専門の行政書士 えんたけです。

昨日の雪に続き、今日も寒い日が続いています。
県内の農家では、コメ作りのスタート、すじまき(種まき)が始まっています。
我が家も、昨日行いました。
1箱6~7キロ?の苗箱を1000個!
持ち上げて~積んで~運んで~下ろして~並べて・・・
普段、PCのキーを叩く位しかやってないので・・・
身体がバキバキです(笑)

さて今日は、前回の続き。

【もくじ】
1、事例
2、お父さんが重い認知症になった場合
3、成年後見制度
4、事前準備のススメ

事例のポイント2つ目。
「お父さんの認知症対策」
です。

【1、事例】
相談者の父郎さんは、元妻との間との子供と
亡き妻との間に2人の子供がいます。
{父郎財産}
自宅不動産(1000万円)
アパート(3000万円)
預金(2300万円)

父郎さんは
「自分が施設へ入ったり、死んだりした場合は、
自宅は自由にしてもいい」
と言っています。

・・・言っていますが、

【2、父郎さんが重い認知症になった場合】

・父郎さんの不動産は売ることができなくなる
・預金は、引き出すことができなくなる
ことがあります。

これって、実は、とても大変なことですよね。

想像してみてください。

お父さんの「施設費用」「介護費」「医療費」「生活費」「税金」
これ全部、誰かが払わなければなりません。

お父さんの預金は、凍結!
使うことができない。

・・・じゃあ誰が支払うのでしょう?

・・・息子さんたち、ですよね。

「施設費用」「介護費」「医療費」など
状況によって変わりますが、
月々ウン万~二十万円、なんてことも容易に想像がつきます。

・・・お父さんの預金を使う方法は。

ひとつだけ。

成年後見制度を利用するしかありません。

【3、成年後見制度】

家庭裁判で後見人を選んでもらいます。

事例ですと、後見人は専門職「司法書士、弁護士など」になる
可能性が高いと思います。

こうなると、後見人報酬が発生します。

報酬額、月2万~

そして、
父郎さんの自宅を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。

つまり、売れない可能性も大いにあるのです。

こうなったら、
・空き家の管理
・空き家の税金支払い

を、父郎さんが亡くなるまで続けなくてはなりません。

父郎さんが、長生きした場合、

空き家である自宅は、劣化し、価値が減ってゆくことになるでしょう。

【4、事前準備のススメ】

・介護関係者との話し合い~施設入居~必要なお世話
・お父さんの介護・医療費など支払い
・空き家の管理
・空き家の税金

これが、家族の肩にのしかかってきます。

その負担をできるだけ軽くするには、
事前の準備をする必要があります。

おすすめするのは、2つ

1、任意後見制度
2、家族信託

「任意後見制度」は、
父郎さんが元気なうちに、後見人(例えば息子)を決めておき、
後見人である息子さんが、父郎さんの財産管理などを
行います。

息子さんへの報酬は、有っても、なくても、OK。

ただし、自宅を売るには「任意後見監督人」から
OKをもらう必要があるので、
売れない可能性もあります。

「家族信託」は、
父郎さんが元気なうちに、
父郎さんの財産、例えば、

・自宅
・アパート
・預金

を息子へ託します。

託した財産は、

父郎さんが重い認知症になっても

・自宅を売る ⇒ OK

・預金を使う ⇒ OK

・アパートを売る・新築する ⇒ OK

つまり、
父郎さんの生活を、息子たちが経済的制限なく
支えることができますし、
相続税対策を行うこともできます。

自宅も、すぐに売ることで、
空き家を持ち続けることも、なくなります。

準備は、元気なうちに。

衰えてくると、選択肢がどんどんなくなってゆきます。

 

えんたけ行政書士事務所
家族信託専門士・行政書士 高橋 正芳